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2029〜2031年に後発品の参入時期が来る成分は81件 — 特許と再審査期間から一覧にしました

薬価ラボ編集部読了 約5分
目次

薬価ラボに「後発品の参入時期」の一覧を加えました。成分ごとに、再審査期間の満了日と、物質特許・用途特許の満了日(延長登録を含む)を並べて、後発品の参入が早くてもいつ以降になるかを出しています。

後発品がいつ出てくるかは、LCMや導入品の検討でまず確かめるところです。ただ、再審査期間は部会の議事録、特許の満了日と延長登録はJ-PlatPatの登録原簿と、見に行く先が分かれていて、成分をまたいで比べようとすると毎回かなりの手間になります。1成分ずつのページは先週から出していましたが、今回は横に並べて、年や市場規模で絞り込めるようにしました。

後発品の参入時期の一覧を開く →

① 2029〜2031年に来るのは81件

2026年9月24日時点で、後発品(バイオ医薬品ではバイオ後続品)がまだ収載されていない成分のうち、参入の最短時期が2029〜2031年に来て、NDBの金額(2024年度・薬価ベース)が10億円以上のものは81件でした。2029年が30件、2030年が21件、2031年が30件です。81件のNDBの金額を足すと、約1兆4,800億円になります。

日付を決めているのは、物質特許が58件、再審査期間が23件で、7割ほどが物質特許です。低分子が56件、バイオ医薬品が25件でした。

金額の大きい順に上から8件を並べると、次のとおりです。8件のうち4件はバイオ医薬品なので、ここでの「参入」はバイオ後続品の参入です。

成分(主な販売名) 参入は早くても 日付を決めているもの NDB 2024年度
ニボルマブ(オプジーボ) 2031年5月2日より後 物質特許 1,273億円
ボノプラザン(タケキャブ) 2031年8月29日より後 物質特許 1,109億円
サクビトリルバルサルタン(エンレスト) 2031年11月8日より後 物質特許 795億円
エンパグリフロジン(ジャディアンス) 2030年3月11日より後 物質特許 781億円
セマグルチド(ウゴービ ほか) 2031年3月20日より後 物質特許 703億円
ダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(ダラキューロ) 2031年3月23日より後 物質特許 678億円
ロモソズマブ(イベニティ) 2031年4月28日より後 物質特許 668億円
エンザルタミド(イクスタンジ) 2031年3月29日より後 物質特許 667億円

日付は「早くてもこの日より後」という意味です。特許が無効になった場合や、特許権者の許諾がある場合は早まります。実際の発売は承認と薬価収載を経るので、ここからさらに後になります。

もうひとつ、物質特許が切れたあとも用途特許が残る成分があります。エンレストは物質特許が2031年11月ですが、用途特許がいくつもあり、いちばん遅いものは2039年8月まで残っています。用途特許は特定の効能だけが対象なので、その効能を除けば後発品は承認され得ます。一覧には用途特許の最終年も並べてあるので、成分ページで効能ごとの内訳を確かめてもらうのがよいと思います。

② 期限を過ぎても後発品が出ていない22件

逆に、参入の最短時期をすでに過ぎているのに、後発品・バイオ後続品がまだ収載されていない成分が22件あります。このうち21件は、再審査期間の満了で日付が決まっている成分です。金額が大きいのは、アテゾリズマブ(テセントリク・2026年1月に再審査期間満了)、グアンファシン(インチュニブ・2025年3月)、ビラスチン(ビラノア・2024年9月)などでした。物質特許で決まっていたのは1件だけで、テネリグリプチン(テネリア)の物質特許が2026年8月に満了しています。

ここは読み方に注意が要ります。薬価ラボは、製剤・結晶・製法などの特許を、延長登録出願のあるものしか収録していません。再審査期間が切れていても、収録していない特許が残っていて参入できないのかもしれませんし、市場規模や開発の難しさで後発品の開発が進んでいないだけかもしれません。収録している範囲でも、テネリアには結晶の特許が2031年2月まで、テセントリクには製剤の特許が2034年9月まで残っています。この種類の特許は日付の計算には入れていませんが、残っている間に発売すると特許侵害で争いになる可能性があります。一覧からは理由までは分からないので、理由を確かめる候補のリストとして見てもらうのがよいと思います。

③ どう作っているか

再審査期間は、承認時や延長を審議した部会の議事録から、期間と満了日を拾っています。議事録に期間の記載がない品目だけ、インタビューフォームの満了日で補っていて、画面ではその旨を分けて表示しています。

特許は、J-PlatPatの登録原簿で満了日と延長登録を確かめたものだけを載せていて、成分に紐付けた特許は約1,900件です。後発品の承認審査で考慮される物質特許と用途特許から日付を出し、製剤や結晶の特許は参考として並べています。市場規模はNDBオープンデータ(2024年度・薬価ベース)で、原本に注記のある行は除いています。

判定は成分ページと同じで、先発品の薬品ページに出る「独占期間」とも同じ日付になります。

まだ全成分は網羅できておらず、いま収録しているのは636成分です。「この成分が見たい」「この日付はおかしいのでは」というものがあれば、遠慮なく教えてください。優先して確かめます。

出典:J-PlatPat 特許登録原簿/薬事・食品衛生審議会(現・薬事審議会)部会議事録/医薬品インタビューフォーム/NDBオープンデータ(厚生労働省)。数値は2026年9月24日時点の薬価ラボのデータベースによります。

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